2026/5/1UP
担い手
土地のことは、地図を眺めるより、人の集まる場所を観察して知ることが多いのかもしれません。先日、熱日高彦神社のみこし渡御に参加して、そんなことを思いました。年度初めの月曜日なのに、担ぎ手も沿道の人も予想以上に多い。「温和な人が多い静かなまち」と聞いてきましたが、内側には確かな熱が流れているのだと感じました。
今月から「Let's KAKUDA」を担当します。近年の角田支局は、紙面レイアウトを担う旧整理部を経験した記者が続いており、私もその一人です。前任の藤井記者とは入社年次が1期違い。社内での異動歴もよく似ています。引き継ぎを受けながら、少し前の自分を見ているような親近感がありました。支局の歴代記者を並べると、みな30代の男性で、一見すると代わり映えのしない顔ぶれかもしれません。けれども実際には、郷土の文学者の業績を掘り起こした人、気象災害からの復興を見守る人、阿武隈川の歴史に心を寄せた人と、それぞれにテーマがあります。同じ所に住み込んでも、実は見ている景色は少しずつ違う。その違いが、紙面にも文章にも出るのだと思います。
整理部で重視されるのは、レイアウトより的確な見出しの付け方です。限られた字数の中でどこを削り、それでも新しい風韻を出していくかを考える仕事です。毎年行われる風物詩やイベントであっても、ひと味違うものを書けたらと考えています。
記事の味といえば先月、送別会で「大事なのは潮流だ」と言われました。私なりに考えますと、出来事をスナップショットとして伝えるだけでなく、その背後で何が動いているのか、地域社会の潮流を感じ取り、記していくべきだ-ということでしょう。先日のみこし渡御で見た地域社会の厚みも、その一つかもしれません。平日にもかかわらず多くの人が集まり、声を掛け合い、行事を支えていた。あの光景は、角田の市民力が今も息づいていることの表れではないか。そんな思いを胸に、これから町の小さな変化にも目を凝らしていきます。取材先で見かけたら、どうぞ気軽に声をかけてください。
横山浩之
