2025/4/1UP
あらゆる目線
ようやく、といったところでしょうか。
先日、転勤する先輩記者の送別会がある仙台市に向かうため、阿武隈急行を利用しました。角田駅で切符を購入しようとしたところ、見慣れぬ券売機が。駅員さんに尋ねると15日からキャッシュレス決済が可能になるとのこと。交通系ICカード「Suica」の導入とまではなりませんが、顧客サービスが一歩ないし二歩進んだ印象です。
Suicaに比べてクレジットカードなどのキャッシュレス決済は導入コストを抑えられると聞きます。ですが、厳しい経営状態が続く阿武急にとって、設備投資は容易でなかったと推察します。そのような中で、利用者ニーズを捉え、利用者目線で考えて必要と判断したのかと思います。
では、こちらはどうでしょうか。こちらのご仁は利用者、いや国民目線を忘れていそうです。
石破茂首相が、自民党の衆院1期生に10万円分の商品券を配っていたことが報道されました。「会食に当たり手土産が必要だと考えた」と話し、ポケットマネーかつ政治資金規正法と公選法に抵触しないと説明しているようです。
違法性はさておき、個人的には「このような行動に疑問がなかったのか…」と呆れるばかり。過去にも同様のことをしていたようなので、手土産に10万円の金品を渡すことが「普通」だったのでしょう。
昨年の衆院選でも話題となった政治とカネ。まだまだ、問題が収束していないにも関わらず、明らかになった新たな問題に、憤懣やるかたない思いの納税者も多いでしょう。献金している方々からしてもふに落ちないのではなかろうかと思います。「李下に冠を正さず」の言葉を胸に刻んでいただきたいものです。
とはいえ自分でも気を付けたいところ。4月で河北新報に入社して14年目となりますが、社内の当たり前、業界の常識が染みついてしまっていると感じています。3年過ごしている角田支局生活も同様。「まぁこんなもんだよなぁ」「たいしたことでもないか」となってしまっては、地域の魅力や課題を見つけることが難しくなります。私自身は改めて「読者目線、地域目線」を忘れずにいきたいと思います。
4月からは支局生活4年目に入ります。恐らく最後の1年となりますが、悔いのない支局生活を過ごしたいと思います。読者の皆さまにはお世話になることも多々あるかと存じますが、引き続きよろしくお願いいたします。
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市行政区町連絡協議会の研修で行われた、
山崎内閣官房参与による講演 |
