2019/2/1UP


ちょうど良い田舎

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。平成最後の正月、皆様はいかがお過ごしでいらっしゃいましたでしょうか?新しい時代の始まりに当たり、この1年をどんな年にするか、引き締まった気持ちで迎えられた方も多いと思います。  昨年末に市内の若手の経営者や生産者と取材でお話した際に、角田について「ちょうど良い田舎」というキーワードが出てきました。私自身は首都圏出身。話をしていた経営者たちも以前、東京で働いていたことがあり、その経験を踏まえると、「ちょうど良い田舎」というのは肌感覚で実感できるようでした。一同、その場で腑に落ちた次第です。  全国的に人口減に歯止めがかからず、地域は厳しさを増しています。そのベクトルの向きの大きさは他先進国に比べても急速なものがありますが、ただ、今までバブルまでの日本の成長神話は異常でした。人間らしい暮らしや時間の使い方といった観点では、従来のライフスタイルは異常で、ほどほどの利便性と自然の近さ、時間の流れに恵まれた角田くらいの環境が望ましいと思います。もともと、近代以前の生活圏は自然にあまり逆らわず、自然と共生し、相互利用しながら形成されたものです。人間が生物的に無理ないスピードとは、どれくらいかという疑問が湧きます。  正月、世界的ベストセラー「サピエンス全史」を特集したテレビ番組を見ました。著者ユヴァルノ・ノア・ハラリは、近代の資本主義は「パイを分け合ってきた歴史から、パイを増やして分け合おうとする歴史」への転換点だったと指摘していました。人類は成長に限界がないと信じたのです。「あらゆる宗教の中で、すべての人が信じたのが資本主義だった」との発言は、言い得て妙でした。 ゲノム編集による遺伝子操作や、AI(人工知能)との関わりという近未来は、人が神の領域の手段を持つ「ホモ・デウス」の時代に入ると言います。その社会では、これまで以上にごく一部のが冨と権力を握る可能性が高いと想像されます。既に世界は不均衡著しい格差社会になっていますが、それが加速することを恐れます。  ハラリは「基本的なことだが、大事なことは自分自身を見詰め、知ること」と言いました。ちょうど良い角田で、ちょうど良い自分に思い巡らせたい年の初めです。


初詣

どんと祭はだか参り