2014/12/1UP


子安観音

 とある取材の帰り際、「観音様がいなくなって困ってるんだ」と声を掛けられました。何の話かと思いきや、丸森町大内の国道113号沿いの子安観音のこと。江戸末期から続く地域の守り本尊が、お堂から忽然と姿を消したというのです。地元の人たちが気付いたのは昨年の夏。駐在所でどうしたものかと相談したものの、盗難届は出さなかったといいます。「盗まれたというのも何だか嫌だし、1年ぐらい経ったら戻ってくるんじゃないかと思って」とお堂の近くに住むUさん。子安観音の御本尊は乳飲み子を抱いた座像。安産を祈願し、子どもを身ごもるとお堂に供えられた「お枕」を借り、出産後に新しいお枕を縫って御礼するという古くからの風習があるそうです。「あるいは誰かが御本尊を借りていったのかも」とUさんは言います。地域では毎年春秋とお盆に住民が集まり、観音様に感謝するささやかな宴が開かれるそうです。しかし、御本尊はいまだに行方不明。「旅に出た観音様が戻ってくるように記事にして」と頼まれましたが、どう書けばよいものかと思案中です。