2000/10/19UP

写真:がけ崩れが起きた丸森町舘矢間の採石場跡。
赤い岩が火山灰が固まった岩。


むかし、丸森は海の底だった?

 9月30日、丸森町舘矢間山田の国道349号で落石があり2週間ほど、道路が通行止めになった。道路わきにそびえる採石場跡のがけが崩れたのが原因だが、崩れたがけを見ると、赤い岩と黒い岩とが縦にくっきり分かれている。崩れたのは赤い部分。直径10メートルはあろうかという赤い巨岩がごろごろ転がっている。以前、この地域の岩を調べた研究者によると、赤い岩は凝灰岩といい、火山灰が固まってできた岩だという。つまり、むかしこの場所は海底火山の火口だった。1500万年前のこと。噴火によって火山灰が火口にへばりついた。その周りに溶岩が流れ出した。黒い岩はこのときの溶岩。「黒い岩は玄武岩で非常に硬いが、赤い岩はもともと火山灰なのでとてももろい」と研究者は説明する。いま、岩をながめると、いわれてみれば、「赤い岩が真っ赤な火口みたいだな」と思う。それにしても、丸森町の国道349号は昨年も大規模ながけ崩れがあり、通行するときにはいつも、「また崩れたら」と不安がよぎる。ここはあくまで、「国道」なのだが。