2000/9/6UP

写説1

佐藤英二さん宅の水槽で飼われているピラニア。食欲は旺盛だ。


ピラニア、その後

 角田市角田の小田川で7月末、肉食性の熱帯魚ピラニアが釣り上がった。 それから1ヶ月。ピラニアは釣り上げられた佐藤英二さん=角田市角田南=宅の水槽で、悠々と泳いでいる。そして、この魚がなぜ小田川にいたのかは、今もって謎だ。 水槽で飼われているピラニアは、 小魚や金魚などをぱくりと食べる旺盛な食欲を見せている。「ピラニアを釣った男」として全国ニュースとなった佐藤さんは「魚は元気そのもの。 水温を保つためにヒーターを買ってきました」と、噛まれた事も忘れてピラニアを大事にしている。県大河原土木事務所は8月初め、阿武隈川漁協の協力で、小田川の調査を行った。 川に網を仕掛け、上流から猟師が魚を追いかける「追い込み漁」をしたが、コイ、ニゴイ、ブラックバスなど捕獲された約100匹の中にピラニアの姿はなかった。 「近くに河川公園があるので慎重になったが、いなくてほっとした」と県の担当者。仙台市科学館の魚類研究者によると、ピラニアは汚れに強く、水温が高ければしばらくは生息できるという。 「小田川のほか、阿武隈川にもいるかもしれない」と研究者は指摘する。ピラニアは1匹だけだったのか。それとも、ほかにもいるのだろうか。“真夏の珍事”で終わればいいのだが…。