2022/9/1UP


密な時間

 今年の夏は濃密な時間が流れていた気がします。暑さのせいかもしれませんが、何よりも例年と異なり多くのイベントが開催されていたためと感じます。  「3年ぶりの」。原稿を打ち込んでいていると、この言葉を何回も使用していることにふと気付きました。夏祭りの開催や団体の活動再開など、世の中のあらゆる物事が活発になりつつあること実感します。 一人一人の新型コロナに対する考え方が異なる中、このような活動を進めていくのには多くの苦労があったと推察します。中止、休止、延期の繰り返しだった2年間だったため、気持ちが少しでも明るく、前向きになった方も多かったのではないでしょうか。  実は14日に開催された「第1回 かくだ牟宇姫夏まつり」では、商工会青年部として角田高校生の出店ブースでお手伝いをさせていただきました(サポートしようと張り切っていきましたが、高校生が本当にしっかり運営されていて何も手伝うことはありませんでしたが…)。普段のイベント取材では「できあがった舞台」にお邪魔させていただくばかりなので、準備や片付けといった裏方をわずかながら知ることができたのは本当に良かったと思っています。 今の高校生たちはコロナの影響で、文化祭や部活動などで大きな制限を受けて生活してきました。特に3年生は、入学時からのかけがえのない時間を丸々コロナの影響下で過ごしてきています。それだけに夏祭りへの出店が青春の1ページとして大切な思い出になったのであれば、大人としてこれ以上ない喜びです。 「青春ってすごく密なので」 仙台育英の東北勢初優勝で幕を閉じた全国高校野球選手権大会。歴史的瞬間は1人、支局のテレビの前で拍手してしまいました。そして、須江航監督のインタビューでのこの言葉が強く印象に残りました。 高校生のころは部活動にがむしゃらに打ち込んだり、文化祭や体育祭で盛り上がったりなど、かけがえのない時間なのだと改めて思います。私のような30代の社会人の1年間も大切ですが、それとは比にならない濃密な時間でしょう。きっと高校時代の思い出が強く刻まれている読者の方々も少なくないのではないでしょうか。  今の高校生たちが将来、「コロナで騒いでいた時期もあったよな」と笑える日が来ることを願うばかりです。やりたいことも思うようにできず、密な空間で盛り上がることも許されなかった彼ら彼女らですが、乗り越えてきた壁は大きいはず。大人たちの高校時代よりも濃密な仲間関係を築いているかもしれませんね。


かくだ牟宇姫夏祭りで、高校生による焼き鳥店