2013/9/1UP


夏のにぎわい

 長かった梅雨が明け、8月は連日の猛暑。今月は市内各地が祭りでにぎわいました。盛大な花火が夜空を彩ったアルプス夏まつり。パレードや出店が商店街を埋めたふるさと夏まつり。久々に里帰りした家族や友人と楽しむ夏の宵。各行政区の盆踊り大会を含め、毎週どこかで祭り囃子が聞こえました。3日にあった金津七夕も風情豊かでした。子どもたちが竿灯を掲げ、独特の節回しで「七夕のとわたる船の梶の葉にいく秋かきつ露のたまずさ」と唄い、練り歩く伝統行事。今年は国の選択無形民俗文化財にも指定され、見物客が例年より多かったそうです。「金津七夕は『祭り』ではなく、地域伝統の子ども行事なんです」と教えてくれたのは藤尾自治センター長の荒井さん。立町、荒町、横町の3地区の小中学生が寄付集めから飾り作り、出し物の考案から決算報告まですべて自ら行うとのこと。当然、地域の大人たちの助けを借りながらですが「子どもたちが世の中の仕組みを知り、地域の絆を深める大事な機会」と荒井さんは言います。藩制期に始まった行事は戦時中も休止しなかったそうですが、時代を追って形は変わってきました。かつては一軒の民家に合宿して準備作業を行っていた「宿」は30年ほど前から地区の公民館に。出し物はからくり人形の仕掛けものから、バンド演奏へ。地域の子どもたちが減り、中には行事への参加を拒むケースも出てきたといいます。豊作や疫病退治を願い、子どもたちの成長を促す貴重な伝統行事、優雅な竿灯行列を今後も見せ続けてほしいものです。